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“artext.design”はただのブログです。 一見、何の変哲もない静かなブログですが、 いつでも野望は100万PV。 私は文で呼吸したい。


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書類整理をしながら想う,,,

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できる時にしかできない。でも、できる時っていつ?そう、できる時なんてない。だから毎日、毎日、少しずつでも進捗させていかないと大変なコトになる。

それが書類の整理。

ここのところ、というよりはこの1年、人材流出が続いたコトで、本当にやる時間がなかった。おかげで、ショートステイのお年寄りのバックナンバーが1年以上分たまっている。圧迫されている棚を見ながら思い立つ。今日と明日はプライベートを捨てて片付けようと。

この手の片付けは家のアルバムの整理に似て、まったく捗らない。それは、お年寄りの名前と書類の一端に触れて、思い出に浸ってしまうからだ。あぁ、、、懐かしい、今どうしてるのかな?生きてるかな?、、、もう死んじゃっただろうな、、、嫌なヒトだったけれども憎めないヒトだったなぁ、、、などと、考えているうちに夜勤でやれば夜が明け、日中にやれば日が暮れる。故にこればかりは勤務時間外にやるしかない。

この5年くらいで利用してくれたヒトの名前と顔はだいたい覚えている。当然のことながら手のかかったヒトほど記憶は鮮明だ。壁に糞尿で消えない現代アート作品を残してくれたおじいさんや、職員を夜な夜なベッドに誘う好色なおばあさん、認知症ではあるけれども精神的に崩壊せず徳が高くて神様のようなオーラを持ったヒトもいたし、逆に、地獄から這い出してきましたと言わんばりの狂気に満ちたヒトもいた。いじめっこもいれば、いじめられっこもいた。

そう言えば、10年お風呂に入っておらず、とかく綺麗にして欲しいと言われて、利用期間中、毎日、特例でお風呂に入れて差し上げたおばあさんもいたけど、、、綺麗にして返してそれっきりになったヒトもいた。そうしているだろう?

3年間動かず涅槃像のように寝たきりだというおばあさんは入所1日目で動いてベッドから落ちたり、、、。

2日間、黙々と、ときにはニヤリとしながら、思い出の書類を片付けた。溜まった書類の83人のお年寄りのうち、今でも利用してくれているお年寄りは32人。生き残っている32人の内訳は90歳以上が8人、80歳代が17人、70歳代が6人、60歳代が1人。男性の利用者が最近は増えてきた。

たった一人の60歳代のお年寄りは身体障害者。身体障害者は同等のサービスが介護保険側にある場合、65歳を機会にそちらへ移行しなければならないコトになっている。ちょっと前に“65歳の壁”みたいな表現で話題になった。問題として、サービス利用者が“金銭的な負担が増える”ことや“サービスの量が減ってしまう”ことが代表的な例として挙げられていたけれども、このお年寄りが入ってきたことで感じたのは、むしろ、自分よりも遥か年上の“認知症老人”と(身体以外は正常なそのヒトが)一緒になって過ごすことの残酷さだ。そのヒトはここに来るまでは、障害者のデイサービスなどで、気の合うヒトとそれなりに楽しくやっていたそうだ。もちろん、年も近い。しかしながら、ここに来てしまえば、下手をすればそのヒトの両親と同じくらいの年の人間がいて、そして、認知症のヒトが多数だから、話も合わないし、もちろん友達にもなれない、初日から嘆いていたのを思い出す。

 

書類には思い出が詰まっている。そして、あらためて見ると、制度自体の問題や制度の狭間の問題、そんなものも見えてくる。見えてきたとして、何をすることもできないけれども、、、だ。

私は目の前のお客様で精一杯。

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