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“artext.design”はただのブログです。 一見、何の変哲もない静かなブログですが、 いつでも野望は100万PV。 私は文で呼吸したい。


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或る老人 未だ発達段階にあり

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その老人は未だ発達段階にある。介護度はついてはいるものの認知症でもなく、また身体的な欠陥があるわけでもない。その老人には知的障害があった。それが年を経て老人になり、障害が介護度という尺度に入れ替わったと言うわけだ。

その老人には老いた姉がいる。姉にも介護度がついている。そしてその姉の生活を立場が逆転し知的障害を持つ妹が支えている。支えるものがあるという自負は彼女を老年期にあって発達を促す原動力となっている。老いて尚、彼女は学習を続けている。もしかしたら、老年期にある今の方が若い頃よりもずっと刺激的で魅力のある世界なのかもしれない。今であってもその扱いはどうかと思う部分もあるが、昔々の白痴、痴愚、魯鈍・軽愚などと呼ばれていた時代には、そういった人々をどう扱うかはその家庭の事情に任せている部分が多く、それを恥部としてひた隠し外へ出さないといった家も多かったことだろう。故に彼女は介護保険下、デイサービスやショートステイを利用している今の方が昔とくらべて外界に触れる機会が多くなっていいるのでは?と感じる部分がある。彼女は職員を見て学習している。他者(困った利用者)への話し方や接し方、この小さな世界での良いコト悪いコト、自分でできるコト、できないコト、自分の担える役割についてなど様々だ。家で庇護される立場から庇護する立場の一端を担うようになってからと言うものヒトの世話を焼くことが彼女の生きる(活きる)モチベーションとなっている。それはとても微笑ましく、また、応援したくなる。

ただ、彼女の興味・関心は尽きることなく、時折、職員の目を盗んで学習した身体介助を実践しようとすることがある。唯一、それが彼女を扱うにあたっての悩みの種になっている。

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