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或る老人 適切な介護を受けるために必死な老人 演技派

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その老人は線が細い。もともと施設にいる老人は小さい方が多いが、群を抜いて小さく、そして細い。吹けば飛びそうで、デコピン一発で腰骨が折れてしまいそうなくらいである。

そんな彼女の武器は“弱々しさ”だ。人前ではよろよろと歩き、ときには体を張って転ぶような状態まで作る。また、表情は常に憂いを帯びており常に物悲しい雰囲気をまとっている。そして彼女は背中で語る。ときに安全によろめきながら、『ほらほら、ちゃんと私のコトを見ていないと転んで大変なコトになってしまうわよ』と。しかしながら、、、だ、そんあ弱々しさに人はずっと騙されているわけではない。24時間誰かしらいる施設で人の目から逃れるこちはできない。ふとした気の緩みから、誰よりもしっかりと歩行することができ、また、他者に暴言を吐き散らす、そんな元気を見せてしまう。ただ、彼女が演技派である所以は、そんな姿を見られたと思うや否や、一瞬にして切り替わり、元の弱々しい姿に戻る。それは、オーディションで突然『泣いて下さい』とオーダーされたとしても問題なく泣けてしまう女優のようである。涙と言えば、彼女は片目だけから涙を流すコトができる。正確に言えば、片目からしか涙を流せないのだが、これもまた往年の少女漫画の主人公のようで素敵な特技。

齢80歳にして、常に自分を見ていて欲しいかまってちゃん。その役作りにはやや古臭さを感じるが、、、若かれし頃はそうして男性の心を掴んでいたに違いない。しかし、未だ未婚であるという事実から、そんな男好みの儚さを纏って見たところで、そのメッキが剥がれてしまうのも早かった。そんな過去も伺える。

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