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“artext.design”はただのブログです。 一見、何の変哲もない静かなブログですが、 いつでも野望は100万PV。 私は文で呼吸したい。


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或る老人 子に本当に捨てられてしまったその先

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その老人はもともとショートステイで長らく利用している。特段、この数年、身体状態も認知症の具合も変わりはない。あるとするなら、少し気難しくなった、、、それだけ。ある日死んでしまうまでうちを利用しつつ家にいるのだろうと思っていた。本人もそう思っていたことだろう。

ある日のコト、その家族から、どこでもいいから本入所をさせたいという話を聞かされた。 旦那が浮気して、他の女性のところに逃げていってしまった。仕事も捨てて行方もわからない。そんな旦那の親を面倒見るなんて、、、そこまで優しくなれない。いつか虐待してしまいそうだと。

確かに、数十年連れ添った旦那に裏切られたその怒りをぶつける場所はどこにもない。いるとするのなら、それを世に産み落としたその老人だけ。血を分けたそのどことなく漂う面影は、認知症老人特有の理解不能な言動に合わさって、憤りを無限に増幅させるに違いない。 こうしてその憐れな老人は、自分の子の過ちが為に、自分がある日まで支えてきた家に居場所を失ってしまった。

そして、その老人は、、、自分が何故この罰のような環境に身を置かされているのか、未だ知らない。

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