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“artext.design”はただのブログです。 一見、何の変哲もない静かなブログですが、 いつでも野望は100万PV。 私は文で呼吸したい。


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Essential Dementia Care Guide 21 ユニットケアに関する基礎知識 Ⅲ 住生活環境の構築

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ユニットケアにおける目標は入居者(利用者)が『今までとかわらない暮らしを営むことができる』ことである。それは、とてもごく“普通”の生活を保障することであり、その支援の為の環境整備は不可欠である。

認知症のヒトの為の住環境原則

心地良い空間であること
  • 適度な面積(ユニットケアであれば5.5畳以上)
  • 独歩でも歩行器でも車椅子での問題なく動くことのできる空間を確保する
安らげる場所であること
  • 使い慣れた道具や家具、思い出、記憶に働きける物があること
  • 普通に家のリビングにある物があること (テレビ、新聞、雑誌、観葉植物 等)
  • そのヒトの生活圏に近い環境が地域にあること
つかいやすさ
  • その人にとって操作のしやすい器具や機器が設置されていること
  • また、それが操作のしやすい位置に設置されていること
わかりやすさ
  • どこに何があるのか?どこにいけば何があるのか?が一目瞭然な空間
  • 利用者の視点に合わせた家具や生活器具 (車椅子でも見やすい位置にある時計やカレンダー、掲示物。高さのあった椅子やテーブル 等)
  • 方向感覚を見失わせない工夫(視力が低下すると視野が白っぽく見える) (壁と床のコントラストの工夫(対比・エッジ)、広すぎない空間 等)
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プライバシーの確保と社会との融合
  • 個室を得ることにより、好きなときに一人になれること
  • トイレ等はプライバシーが保たれ、羞恥心に配慮されていること
  • 社会とのつながりにおける段階的な空間配慮 (プライベート⇒セミプライベート⇒セミパブリック⇒パブリック⇒地域)
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平穏な日常生活
  • 不愉快な音や光のない空間
  • 明暗色で構成されたわかりやすい空間
  • 適切な室温(25℃)と湿度(40-60%)に保たれた空間


※白い空間は幻覚や幻視を起こしやすく、また、極端な色使いは不安を呼び錯視、錯覚を引き起こす要因になる。

五感を大事にした~音・光・色彩~
  • 記憶に働きかける、懐かしい音、匂い、景色
  • 空間の目的に合わせた照明の色
ふれあいの大切さ
  • 地域の人々や様々な地域資源と出会える工夫や仕組み
親しみやすいデザイン
  • 今までそのヒトが過ごしてきた生活スタイルに合った家具、またそのスタイルを支える為の福祉用具
安全性の確保
  • 柔らかく滑りにくい床材の使用
  • オール電化や床暖房の設置
  • その他、法令建築設備基準に準拠した機器設置と安全対策

環境整備に関するキーワード

バリアフリー

バリアフリー(英語: Barrier free)とは、対象者である障害者を含む高齢者等の社会的弱者が、社会生活に参加する上で生活の支障となる物理的な障害や、精神的な障壁を取り除くための施策、若しくは具体的に障害を取り除いた事物および状態を指す用語である。 「設備やシステムが広く障がい者や高齢者などに対応可能であること」を指して、英語では「アクセシビリティ」(accessibility)と呼ぶ。それに対して、「バリアフリー(barrier free)」は、建物の段差を取り除くことなどのみを示す。

ユニバーサルデザイン

ユニバーサルデザイン(Universal Design、UD)とは、文化・言語・国籍の違い、老若男女といった差異、障害・能力の如何を問わずに利用することができる施設・製品・情報の設計(デザイン)をいう。米ノースカロライナ州立大学デザイン学部・デザイン学研究科(College of Desgin)のロナルド・メイスが提唱し、デザインの対象を障害者にしていないことでバリアフリーとは異なる。

アフォーダンス

アフォーダンス(affordance)とは、環境が動物に対して与える「意味」のことである。アメリカの知覚心理学者ジェームズ・J・ギブソンによる造語であり、生態光学、生態心理学の基底的概念である。「与える、提供する」という意味の英語 afford から造られた。デザイン分野においてこの語句は、モノに備わった、ヒトが知覚できる「行為の可能性」という意味で用いられている。

例えば、ドアノブがなく平らな金属片が付いたドアは、その金属片を押せばよいことを示している。逆に、引き手のついたタンスは、引けばよいことを示している。これらは、体験に基づいて説明なしで取り扱うことができる。認知症のヒトは非陳述記憶としての手続きは現存していることが多く、彼らがその取扱いで混乱しないように配慮する上でこの考え方は重要である。

 

参考文献・引用文献

  • ユニットリーダー研修ハンドブック
  • 認知症介護実践者研修資料

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