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Essential Dementia Care Guide 18 パーソン・センタード・ケア(Person Centred Care)に関する基礎知識

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パーソン・センタード・ケア(Person Centred Care)とは、直訳すると「人を中心としたケア」となるが、認知症という病気ではなく、よりそのヒト個人の主観的世界、その価値、意味を大切にするコトで、その人がどのように感じ、何を求めているのか理解した上で、“その人らしい”暮らしを支えようという取り組み。認知症介護の理念としてイギリスの心理学者 トム・キッドウッド(Tom Kitwood 1937-1998)さんが提唱しました。

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トム・キットウッドは、認知症をもつ人々にとって、「くつろぎ、自分らしさ、愛着・結びつき、たずさわること、共にあること」の5つの心理的ニーズは非常に重要であると考えました。このニーズは、最後まで変わることはなく、たとえ進行しても、これらが満たされれば、これらを包含する愛情のニーズが満たされ(そのヒト自身が“自分は周囲のヒトにとって大事な存在”、“大切に思われている”と感じられる)、よりよい状態となりうるとしています。

認知症の状態とは固定されたものではなく、この5つの心理的ニーズが満たされているか否かにより(若しくは、どう満たされているかによって)、“よい状態(well-being)”と“よくない状態(ill-being)”の中で常に揺れている。“よい状態”であれば、適切にパーソン・センタード・ケアが行われ“その人の尊厳が保たれている状態、逆に“よくない状態”であれば、それが行われず、そのヒトの人格および尊厳がおとしめられている状態と考えられます。

認知症自体は“病”ですが、本人が感じている“不安”や“焦燥”、“怒り”、、、はそのヒト自身のものです。それには必ず原因があり、トム・キッドウッドは下の5つの要因が相互に作用してその状態を“呈している”と言います。

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“パーソン・センタード・ケア”は、認知症のヒトを詳細に“彼らがどんなときにどんな行動や状態にあるか”を観察し、この5つの要素を考慮した上で、その人に応じたケアを創造していくことです。その分析と記録には、“認知症ケアマッピング(DCM-Dementia Care Mapping)”を使用します。それを用いることで、そのヒトのアセスメントだけではなく、職員間で話し合い、ケアの質を上げていくことができるのだそうです。

とは言え、昔々と比較すればかなり向上した日本の施設ケアですが、それでも未だ、トム・キッドウッドさんが心を痛めた、スケジュール中心、業務中心の作業的アプローチが色濃く残っています。そんな作業的なアプローチにわたしたちが問題意識を持てなければ、どんな素敵な理想や考え方、ツールも無意味とも言えます。

参考文献・引用文献

  • 認知症介護実践者研修資料
  • 認知症介護研究
  • 研修大府センター『認知症ケアマッピング(DCM)って何?』

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