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“artext.design”はただのブログです。 一見、何の変哲もない静かなブログですが、 いつでも野望は100万PV。 私は文で呼吸したい。


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Essential Dementia Care Guide 9 自分のケアや思想に不安を感じたときの処方箋 Ⅱ

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怒りを感じてもいい、許さなくてもいい しかしながら、わたしたちは、それを憎み、拒絶してはならない

ここに一遍の詩がある。

霧 白い霧 あなたは 生きることを強いる 面影のすべてを埋めて生きることを強いる 凌辱に曝されたまま 生きることを強いる 霧 冷たく白い霧 わたしはこころを ひらかない だから だから今朝もあなたに むらさきいろの 花を摘む わたしは あなたを許さない

詩集『まぼろしを』より一部抜粋位

横田弘さん(1933~2013)という脳性マヒ(CP)という障害を持つ当事者の描いた詩。過激な当事者運動を繰り広げていた方で、福祉の世界に身を置いていると、なんとなく名前くらいは出てくる。それほどまでに有名な方。

“わたし”とは本人を含めた障害当事者であり、“あなた”とは健常者とその作り出した世界。

彼は戦っていた。しかし、その行動を支えていたものは“怒り”であった。ただ、この怒りは相手という対立する軸があることで、それを認めることでもある。障害者は“健常者”の介助なしでは生きることができない。惨めに生かされていると感じ、その対岸にいる“健常者”を憎み拒絶し、それを認めないとしたのなら“わたし”は生きることができない。それは大きな葛藤。

故に彼は“むらさきいろの花を摘む”ことにした。“むらさき”は感性や神秘を感じさせる。それはヒトとヒトとの間にあって“精神的なつながり”だ。それを毎朝“あなた”へ届けるコトで、その心の深いところで、“あなた”を信じていたい、“あなた”を拒絶することはしたくない、そんなメッセージを伝えることにしたのだろう。そして、そのメッセージカードにはこう書いてある。

わたしは あなたを許さない

彼は“許さない”ことで“あなた”とずっと向き合っていくことにした。記憶に永遠に留めておくことにした。これは、ひねくれてはいるけれども、紛れもなく当事者からわたしたちへの愛情のこもったメッセージだと言える。

故にわたしたちも、、、

怒りを感じてもいい、許さなくてもいい しかしながら、わたしたちは、 それを憎み、拒絶してはならない

憎悪の中に葛藤はない。わたしたちが福祉の実践において“葛藤”を抱えることは正しい。

わたしたちは彼らに“何色”の花を贈るべきだろうか?それを考えることが福祉の実践だ。

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