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“artext.design”はただのブログです。 一見、何の変哲もない静かなブログですが、 いつでも野望は100万PV。 私は文で呼吸したい。


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Essential Dementia Care Guide 3 福祉を支える美しいコトノハたち Ⅰ ノーマライゼーション(Normalization)について

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福祉の理想は美しい。その時々、時代の節目に生み出された思想は堅苦しい哲学のようなロジカルなものではなく、むしろ甘美な酒のように酔わせてくれる一遍の詩のようだ。

ノーマライゼーションの8つの原理

ノーマライゼーションとは、一日の普通のリズム

 

朝ベッドから起きること。 たとえ君に重い知的障害があり、身体障害者であっても、洋服を着ること。 そして家を出、学校か、勤めに行く。ずっと家にいるだけではない。 朝、君はこれからの一日を思い、夕方、君は自分のやり遂げたことをふりかえる。 一日は終わりなく続く単調な24時間ではない。 君はあたりまえの時間に食べ、普通の洋服を着る。 幼児ではないなら、スプーンだけで食べたりはしない。 ベッドではなく、ちゃんとテーブルについて食べる。 職員の都合で、まだ日の暮れぬうちに夕食をしたりはしない。

 

ノーマライゼーションとは、一週間の普通のリズム

 

君は自分の住まいから仕事場に行き働く。そして、別の所に遊びに行く。 週末には楽しい集いがある。そして月曜日にはまた学校や職場に行く。

 

ノーマライゼーションとは、一年の普通のリズム

 

決まりきった毎日に変化をつける長い休みもある。 季節によってさまざまな食事、仕事、行事、スポーツ、余暇の活動が楽しめる。 この季節の変化のなかでわたし達は豊かに育てられる。

 

ノーマライゼーションとは、あたりまえの成長の過程をたどること

 

子供の頃は夏のキャンプに行く。 青年期にはおしゃれや、髪型、音楽、異性の友達に興味を持つ。 大人になると、人生は仕事や責任でいっぱい。 老年期はなつかしい思い出と、経験から生まれた知恵にあふれる。

 

ノーマライゼーションとは、自由と希望を持ち、周りの人もそれを認め、尊重してくれること

 

大人は、好きなところに住み、自分にあった仕事を自分で決める。 家にいてただテレビを見ていないで、友達とボーリングに行く。

 

ノーマライゼーションとは、男性、女性どちらもいる世界に住むこと

 

子供も大人も、異性との良い関係を育む。 十代になると、異性との交際に興味を持つ。 そして大人になると、恋に落ち、結婚しようと思う。

 

ノーマライゼーションとは、平均的経済水準を保証されること

 

誰もが、基本的な公的財政援助を受けられ、そのための責任を果たす。 児童手当、老齢年金、最低賃金基準法のような保障を受け、経済的安定をはかる。 自分で自由に使えるお金があって、必要なものや好きなものが買える。

 

ノーマライゼーションとは、普通の地域の普通の家に住むこと

 

知的障害だからといって、 20人、50人、100人の他人と大きな施設に住むことはない。 それは社会から孤立してしまうことだから。 普通の場所で、普通の大きさの家に住めば、 地域の人達の中にうまくとけ込める。

 
ベングト・ニィリエ(Bengt Nirje)

 

ノーマライゼーション(Normalization)とはバンク・ミケルセン(N.E.Bank Mikkelsem)さんが、“たとえ、知的、身体的な障害があったとしても、ヒトは人格を持ち、障害がないヒトと何の変わりはない、故に、障害のあるヒトが、社会で日々を過ごす人間としての“生活状態”が障害のない人々のそれと同じコトはヒトとしての当然の権利である”と提唱した考え方です。

障害のあるヒトを鍛えてノーマルにしよう! というコトではなく、 障害のあるヒトに“ノーマルな生活条件”を用意しよう! そんな生活条件を社会で創造していこう!

と、言う考えを、ベングト・ニィリエ(Bengt Nirje)さんが原理として整理して世の中に広めてくれました。そんなワケで、ミケルセンさんは“生みの親”、ニィリエさんは“育ての親”と言われています。障害者福祉の世界で生まれた考え方ですが、老人だって加齢で障害を負っているのだから同じですよね?

こんな考え方をベースにして、今は、社会から排除されやすい、外国人労働者や貧困者、障害者や高齢者、無職の若者やホームレス、薬物中毒者、こんな人々も社会の一員として積極的に包み込んで、全てのヒトが尊厳を持って自立することのできる社会を創造していきましょうという意味を込めて“ソーシャル・インクルージョン(Social Inclusion)”と呼ばれるようになりました。

 

参考文献・引用文献・社会福祉学習双書2015

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